中古マンション購入時の申し込みなどの手続きから入居までの流れを10STEPで解説!

中古マンションは、世界中のどこを探しても同じものがふたつとありません。条件がよい物件は、たくさんのライバル(購入希望者)とスピード勝負の争奪戦になることもあります。

この競争で少しでも優位に立ちたいなら、中古マンションの購入の流れを知っておくべきです。次に何をするのか分かっていなければ、争奪戦に備えられず、いざというときに迅速に行動できません。

本稿では、中古マンションの購入の流れを10ステップに分けて詳しくご紹介します。検討している中古マンションをスムーズに購入したい方は、ぜひ最後までご覧いただき、取引の際にお役立てください。

【10ステップで解説】中古マンション購入時の流れ

さっそく、中古マンション購入時の流れを、10ステップでご紹介します。

  1. 計画を立てる
  2. 物件の情報収集
  3. 内見(内覧)
  4. 購入申し込み
  5. 住宅ローン仮審査(事前審査)
  6. 重要事項説明
  7. 売買契約
  8. 住宅ローン本審査
  9. 売買代金精算・登記・引き渡し
  10. リフォーム・引っ越し

ステップ(1)から(10)まで、スムーズに進んでも3か月以上かかるとお考えください。物件の絞り込みに手間取ったり、ライバルに後れを取ったりしていると、(5)にたどり着くのに半年以上かかるケースもあります。

引っ越し期限が決まっている方は、できるだけ早く動き始めましょう。

つづいて、各ステップの内容を詳しくご説明します。

ステップ1:計画を立てる

中古マンションを購入しようと思い立ったら、計画を練るところから始めましょう。計画を立てる際にやるべきことは、主に以下のふたつです。

  • 購入する物件に求める要望を整理する
  • 資金計画(予算組み)を立てる

まずやるべきことは、購入する物件に求める要望の整理です。思いつく要望をすべてリストアップして、優先順位をつけましょう。

たとえば、以下の項目について要望があれば書き出し、優先順位を決めてみてください。

  • エリアや学区:候補が複数あってもOK
  • 周辺環境:学校、病院、スーパー、公園など
  • 勤務・通学時間:職場・学校へのアクセス、駅からの距離など
  • 築年数:何年くらいまで許容できるか
  • 広さ・間取り・方位:何部屋必要か、南向き以外でもOKか
  • 住宅設備:オートロック、宅配ボックスなどの有無
  • リフォーム:したい・したくない

資金計画も、とても大切な作業です。まず「準備できる自己資金額、住宅ローン融資上限額、諸費用額」の3つを把握しましょう。この3つが分かれば、以下の式で物件の予算を算出できます。

物件の予算 = 自己資金 + 住宅ローン融資 - 諸費用

なお、融資上限額は金融機関によって変わりますが、おおよそ年収の6倍が目安です。ただし、融資上限額まで借りてよいわけではありません。ローン計算アプリ等を活用して月々の返済額を算出し、家計を圧迫しないか検討してください。

ウエブサイト上で気軽に使える無料のローンシミュレーターはこちらからご利用いただけます。

中古マンションを購入する際に必要な諸費用については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

以下の記事では、中古マンション購入時の注意点をまとめていますので、計画を立てる際にお役立てください。

ステップ2:物件の情報収集

明確な計画が立ったら、次は要望やご予算にのっとって物件の情報収集をおこないます。情報収集できる主な方法をご紹介しましょう。

  • 住みたいエリアを歩く
  • 不動産会社に相談する
  • 不動産ポータルサイトで探す

現在はインターネットを活用して不動産ポータルサイトで探す方が多いようです。たとえば「HOME'S、SUUMO、at home、YAHOO!不動産」なんかが有名ですね。

上述のウエブサイトで何度も調査すると、相場勘が身につきます。どんなタイプのマンションが多いか、築年数によって価格帯や坪単価がどう変化するか、どんな物件が人気かなど、だんだん分かってくるでしょう。

もしも、気になるマンションを見つけたら、不動産会社に連絡して内見を依頼してください。

ステップ3:内見(内覧)

実際に物件を見に行き、状態を確認する作業を「内見 (内覧)」と言います。ステップ1で作成した要望リストにのっとって確認しながら「内装や設備の劣化状況、日当たりや風通し、エントランスや通路等の共有部分」などもチェックします。

周辺環境も、確認しておきましょう。騒音やニオイ、治安に関する雰囲気などは資料では分かりませんので、実際に体感しておきたいところです。通学路や最寄り駅までのルートを、実際に歩いてみてもよいでしょう。

ちなみに周辺環境は、可能であれば曜日や時間を変えて何度か見に行くとよいです。平日と土日、あるいは昼間と夜間で雰囲気がまったく違うことに気づくケースもあります。

ステップ4:購入申し込み

内見を終え、購入の意思が固まったら、買付証明書に「希望購入価格・代金の支払い条件・引き渡し希望日」などを記載して売主に渡します。この手続きは「購入申し込み」と呼ばれ、売主に具体的な購入希望条件を伝え交渉する目的でおこなわれます。

買付証明書を見た売主が「この購入希望者と取引を進めたい」と判断した場合は、交渉を経て契約へと進みます。なお、この時点では「ライバルがいるかもしれない」と意識しておき、交渉は誠実に進めていくとよいでしょう。

ちなみに、購入申し込みは撤回できます。とは言え、購入申し込みを出した時点で多くの関係者が動き始めますので、本命の物件以外に「キープ」目的で購入申し込みをするのは不誠実であり、望ましくありません。

ステップ5:住宅ローン仮審査(事前審査)

一般的に、住宅ローンの審査は二段階でおこないます。最初におこなう審査を「仮審査」または「事前審査」と呼び、売買を円滑に進めるために重要な役割を果たします。その特長を3つご紹介しましょう。

  • 借入上限額の見当がつく
  • 借入額が決まると、予算が明確になる
  • 仮審査を済ませていると、購入申し込みの際に有利になる

仮審査を経ると、どのくらいの住宅ローンなら融資してもらえるのか把握できます。「仮審査通過=本審査通過」ではありませんが、通過が見込める状態ですので、売主や不動産会社も安心して取引を進められます。

ですから「購入申し込み」のあとではなく、もっと早いタイミングで仮審査をおこなう方もいます。なんとなく気になる物件があれば、あとで物件が変わってもかまいませんので、仮審査に申し込んでみるとよいでしょう。

ステップ6:重要事項説明

購入申し込みを終えたら、買主は物件と取引条件に関する重要事項の説明を受けます。この手続きで得られる情報は、買主が「購入するかどうか」を最終判断するために必要なものです。

文字どおり「重要」なため、売主は重要事項の告知を怠ると賠償等のペナルティを受けます。不動産会社も、宅地建物取引業法で重要事項の説明が義務づけられていて (35条(※1))、従わなかった場合には業務停止処分を受けます (65条(※2))。

ところが、不動産取引の苦情・紛争相談件数(※3)を原因別に見ると「重要事項の説明等」に関するものが最も多いのです。トラブルを避けたいのであれば、買主も、分からないところは積極的に質問をする姿勢を持ちましょう。

(※1)35条:宅地建物取引業法 | e-Gov法令検索
(※2)65条:宅地建物取引業法 | e-Gov法令検索
(※3)参考: https://www.retio.or.jp/attach/archive/115-028.pdf

ステップ7:売買契約

重要事項の説明を終え「問題ない」と判断できたら、いよいよ不動産売買契約です。契約書の記載内容に不明点がある場合は、納得できるまで質問して、不安や疑問をなくしてからサインしましょう。

売買契約の際、一般的には手付金(物件価格の5~10%程度)を支払います。この手付金は「解約手付」の性質を持ち、売主は手付金を放棄することで契約を解除できます。詳しい説明は、以下をご覧ください。

なお、売買契約には、必ず「住宅ローン特約」を付帯しておきましょう。この特約をつけておくと、住宅ローン本審査が否決されたとき、手付金を放棄することなく無条件で契約を解除できます。

ステップ8:住宅ローンの本審査

売買契約書を取得できたら、住宅ローンの本審査に申し込みます。仮審査と本審査の審査項目は、同じではありません。仮審査でOKが出たとしても、本審査で否決になるケースもあります。

参考まで、審査項目の例をご紹介しておきましょう。

仮審査(事前審査) 本審査     
本人確認 売買契約書
今の年齢と完済時の年齢 物件の担保価値
お勤め先、勤続年数、所得額 お勤め先の規模や経営状況
与信(金融事故の履歴等) 債務者の健康状態
返済負担率 仮審査の内容をさらにチェック

なお、審査項目や各項目の重要度は金融機関によって違います。その点は、ご留意ください。

ステップ9:売買代金精算・登記・引き渡し

売主・買主、共に取引準備が整ったら、いよいよ売買も大詰めです。買主と売主、不動産会社、司法書士などの関係者が金融機関に集まり「売買代金精算・登記・引き渡し」を一気に進めます。

主な作業をリストアップしてみましょう。

  • 住宅ローンを実行して、金融機関に事務手数料や保証料を支払う
  • マンションの購入残代金(物件代金から手付金を引いた残り)を売主に支払う
  • 鍵と物件の引き渡しを受ける
  • 司法書士に報酬を支払い、登記(所有権移転や抵当権設定)を実行してもらう

一日でこれだけの手続きをおこなうには、事前準備が欠かせません。司法書士や金融機関、火災保険等の手配を怠りなく進めておきましょう。

ステップ10:リフォーム・引っ越し

引き渡しが済めば、いつでも引っ越しできます。ここまで大変な作業を短期間にこなす日々が続きますので、マイホームで暮らす喜びもひとしおだと思います。思う存分、新生活をお楽しみください。

なお、住宅ローンの返済が始まります。賃貸住宅にお住まいで、かつ引っ越し前にリフォームする方は、しばらく住宅ローンの返済と現在のお住まいの家賃が重なりますのでご注意ください。

中古マンション購入のワンポイントアドバイス

最後に、中古マンションを買う方にひとつだけお伝えしたいことがあります。

不動産売買に「中古マンションは管理を買え」という慣用表現があるのをご存知でしょうか。これは心理であり、中古マンションは必ず「共有部分の管理」と「修繕や修繕積立の状況」を確認してからご購入ください。

たとえば、以下の共有部分の管理状況を確認すると、なんとなく住民のモラルが分かります。

  • エントランス
  • 集合ポスト
  • 通路
  • 掲示板
  • 駐車場・駐輪場

定期総会議案書・定期総会議事録・長期修繕計画案」も、可能な限り不動産会社に入手してもらい目を通しておきましょう。

この書類を見れば、修繕の履歴や計画、積立金の収支が分かります。将来赤字になる気配があるなら、いずれは積立金が増額されると心づもりしておかねばなりません。

議案書や議事録から、マンション内で課題になっている事柄も分かります。滞納問題や騒音問題など、住民トラブルに関する課題は把握しておくとよいでしょう。

まったく問題がないマンションは少ないと思われますので、管理組合が活発で、課題解決能力が高い物件を選びたいところです。非協力的、あるいは人任せにする住民が少なく、資産価値を維持しようとする姿勢を感じ取れるマンションがおすすめです。

おわりに:中古マンション購入の手続きは、不動産会社を活用しよう

中古マンションの売買は、スタートから引っ越しまで複雑な手続きの連続です。不動産売買に慣れていない買主がそのプロセスを滞りなく進めていくには、事前に購入の流れを理解しておくことが欠かせません。

中古マンションの売買は複雑で、完全に理解するのは難しいため、適切なタイミングでフォローやアドバイスをくれるパートナーの存在が欠かせないのです。

もしも、あなたが「中古マンションを買おう」と思い立ったら、ぜひ最初から不動産会社探しに注力してみてください。早い段階で信頼できる不動産会社が見つかれば、あとのプロセスが断然ラクになります。

この記事を書いた人

ホリカワダット

インテリアコーディネーターと1級カラーコディネーター資格保有。主に住宅分野を専門とするライター・ブロガー。工務店営業支援もおこなう複業フリーランス。高気密高断熱の注文住宅を得意とする建築会社で約8年間、営業職や住宅ローンアドバイザーを経験。年間200組のお客様をサポートした経験と、自宅の分譲マンションをスケルトンからリノベーションした経験をもとに、家探しや家づくりの資金計画、住宅ローンの返済額削減などをわかりやすく解説します。

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