戸建てとマンションの固定資産税は同じ?計算方法や特例措置について

マイホームなどを購入し、不動産を所有している状態であれば、毎年固定資産税を支払わなければなりません。つまり、マイホームを購入する以上は生涯に渡って払い続ける必要がある税金ですから、その内容については十分に理解しておくべきでしょう。

この記事では、固定資産税の概要と、戸建てとマンションの計算方法の違いについて、分かりやすく説明していきます。

固定資産税とは?

「マイホームを買うと、固定資産税がかかるんでしょ?」
「そうだね。毎年必ずかかる費用だけど、金額はそこまで高くないはずだよ?」
「でも、マンションを買ったら管理費や修繕費も毎月かかるし、固定資産税も毎月の支出で考えたら、そいれなりの金額になるだろうし…」
「確かに老後は年金収入がメインになるから、必ず支払う必要がある費用については、あらかじめ確認しておくべきかもしれないわ!」

固定資産税のポイントは、

  • 固定資産税の標準税率は1.4%(地域によっては0.3%が都市計画税として加算)
  • 固定資産税は地方税であるため、納付スケジュールが異なる
  • 固定資産税評価額は3年おきに、自治体によって見直しがある
  • 耐用年数の観点などから、戸建てよりマンションが高額になりやすい
  • 固定資産税の概算は地域によって異なるが10万円~30万円程度で、一般的には建物の件年劣化と共に値下がりする

固定資産税の計算方法を確認する前に、まずはその概要について確認しておきましょう。

固定資産にも種類があり、課税される税金の名前が異なる

固定資産税はその名のとおり、一定の固定資産に課税される地方税です。固定資産の定義は有形・無形・その他に分類できますが、課税対象となるのは有形固定資産です。そして、有形固定資産は、土地や家屋などの不動産、機械装置や工具器具などの償却資産、車両の3種類に分けることができます。

一般家庭において、固定資産として課税されるものは、不動産と車両に限定されることがほとんどだと思われますが、不動産対しては固定資産税、車両に対しては自動車税として課税されることになっています。

固定資産税の定義

固定資産税は原則として、毎年1月1日時点における固定資産の所有者に、納税の義務が生じます。各自治体から納付書が届くため、コンビニエンスストアなどで支払いが可能な他、口座振替やクレジットカード払いも可能です。納付については4期に分かれていますが(4回分割)、第1期にまとめて納付できるような納税用紙も同封されています。分割か一括かについては、納税用紙を取り違えないようにしましょう。

なお、納付のスケジュールに関しては、区市町村ごとに異なるため、注意が必要です。札幌や名古屋、大阪に関しては4月下旬頃、東京23区や仙台市は7月上旬頃に第一期の納付が設定されており、地域差が比較的大きいことが特徴です。第一期の納付の前に、納税用紙と納税通知書が郵送されてくるため、各期の納付期限を確認しておきましょう。万が一納付が遅延した場合には、その度合いによって延滞金が発生するため注意が必要です。

また、地域によっては固定資産税と一緒に、土地などの整備を目的とする都市計画税が、固定資産に課税されています。別々に支払う必要はなく、固定資産税と都市計画税は合算されて請求がくるため、それほど意識する必要はありません。

固定資産税の計算方法とは?

固定資産税の算出には耐用年数の観点が含まれているため、計算方法がやや煩雑といえますが、計算の基礎となる固定資産税評価額が決められているため、この評価額を利用して算出することが可能です。固定資産税評価額については3年ごとに自治体よる見直しがあり、耐用年数などを配慮しながら算出されています。

なお、固定資産税の基礎となる標準税率は、土地、建物共に「1.4%」であり、都市計画税は、土地、戸建て、マンション共に「0.3%」です。固定資産税評価額にこれらの税率を乗じたものが、1年間の固定資産税として課税される仕組みです。

なお、土地と建物については、固定資産税評価額の考え方にそれぞれ大きな特徴があるため、その結果として、戸建てとマンションによって固定資産税に差が生じる結果となっています。

土地の固定資産税について

土地の固定資産税が建物(戸建てやマンション)と大きく異なるのは、耐用年数の概念が無いことです。つまり、土地に対する評価額が見直されない限り(地価の下落や上昇がない限り)、マイホームの購入時から生涯に渡って納税額は変わらいなのです。

ここで重要なのは、物件価格に対しての土地と建物の比率です。一般的には、戸建てとマンションを比べた場合、戸建てのほうが物件価格に占める土地の割合が大きくなっています。マンションは共有持分に応じて敷地面積を区分所有するという考え方なので、物件価格に占める建物の割合が大きくなっているのです。

この観点から考えると、土地の固定資産税に関しては戸建てが不利であると感じられますが、マイホームの建築などに利用された住宅用地に関しては「課税標準額が6分の1(200平方メートルを超える部に関しては3分の1)に軽減される」という大きな軽減措置があります。この軽減措置によって、土地の固定資産税に関しては、戸建てもマンションもさほど大差がない結果となっているのです。

建物の固定資産税について

建物には耐用年数に基づく減価償却という考え方があります。つまり、新築時に比べて、経年劣化によって建物自体の価値は失われていくことを前提に固定資産税評価額が算出されます。ここで重要となるのは、木造戸建ての法定耐用年数は20~22年、鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年であることです。

あくまでも便宜上の「法定」耐用年数であるため、この期間を過ぎた場合に居住できなくなるというわけではありませんが、固定資産税に関しては、この年数が経過した時点で0円、つまりは価値がほとんど無くなるとみなされるのです。

つまり、新築から20年近く経過した時点の建物の固定資産税に関しては、戸建てとマンションに大きな差が出ることがお分かりいただけると思います。そもそもマンションは、物件価格に対して建物が占める割合が大きいこともあり、建物の固定資産税については圧倒的に高額といえます。

固定資産税に関して限定すれば、一戸建てが割安であるが…

住宅用地に対する軽減措置によって、物件価格に対する土地の割合が高い戸建ては有利となる上、建物の耐用年数はマンションの約半分であることから、マイホームの購入から生涯に渡っての固定資産税の支払額としては、マンションのほうが高額になるといえるでしょう。

ただし、住み替えや相続を考えた場合には、固定資産税の安さが必ずしもメリットになるわけではありません。評価額が残っているということは、資産価値があるという意味にもなりますし、遠方の過疎地などに一戸建てを購入した場合には、相続の際に空き家物件として処分に困ることすら想定されます。金額だけで判断せず、将来の処分についても一定の配慮が必要といえるでしょう。

固定資産税の特例措置や中古物件の支払いルールについて

固定資産税には物件ごとに特例措置があります。また、中古物件を購入した場合の固定資産税の精算方法についても、あらかじめ確認しておきましょう。

固定資産税の特例措置

固定資産税の特例措置として、2022年3月31日までに新たに建てられた物件に対して適用される軽減措置が挙げられます。戸建て、マンション共に受けることが可能ですが、戸建ては3年間、マンションについては5年間に渡って2分の1に減額となります。また、新築の長期優良住宅に該当する場合には、戸建てが5年間、マンションは7年間に渡って2分の1に減額となります。

また、省エネリフォームや耐震リフォームなどについての軽減措置もあるため、詳しくは不動産会社の担当者などに確認の上、申告の手順などについても確認しておきましょう。

中古物件の購入や売却の場合、固定資産税は誰が支払うの?

中古物件の売買を考えた場合、固定資産税の負担は売主と買主との話し合いで決められるのが一般的です。翌年の1月1日には新所有者が納税義務者であることを考慮しながら起算日を決定し、引き渡し日までの固定資産税について計算した上、買主から固定資産税を売主に先払いする方法が多いといえるでしょう。

中古物件であることからもさほど大きな額にはなりづらいですが、売主とのトラブルにならないよう、固定資産税の精算については、事前に確認しておくべきでしょう。

なお、中古マンション購入時に必要な貯金については、こちらの記事も参照ください。

おわりに:固定資産税はマンションが割高だが資産価値は残る

耐用年数が長いこと、住宅用地への軽減措置があることなどから、マイホーム購入から生涯における固定資産税の支払い総額は、マンションが高額になりやすいといえるでしょう。しかし、住み替えや相続などの将来における物件の処分を考えた時には、必ずしもデメリットになるわけではありません。

また、固定資産税の納税期日や、軽減措置を受けるための条件や申告方法などについても、あらかじめ確認しておくべきでしょう。

この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓

長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。

個人ブログ:https://ameblo.jp/total-advise-company/

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