中古マンション購入の仲介手数料を値引き交渉したい!有利に交渉が運ぶ5つの条件・シチュエーションとは?

外観は古くても、中身が綺麗だったら良いという方にとっては、中古マンションをリノベーションした物件は割安でおススメといえます。しかし、物件が安いとはいえ、諸費用の大半を占めている仲介手数料が何十万円もかかれば、損した気分になりますよね。

ズバリ、仲介手数料は値引き交渉することができます。なぜなら仲介手数料は上限額が決められているものの、下限額については決められていないからです。しかし、不動産会社も自分たちの利益を簡単に減らすことはありません。では、どんな条件やタイミングであれば、値引き交渉がしやすいのでしょうか。

  • リノベーション物件を選ぶ
  • 多くの不動産会社が取り扱っている物件を狙う
  • 閑散期を狙う
  • 仲介(媒介)契約の3か月目を狙う
  • 大手不動産会社は避ける

この記事では、中古マンションの購入を考えている方に、仲介手数料を有効に交渉するための5つの条件やシチュエーションについて、ご説明していきます。

中古マンション購入時の仲介手数料の値引き交渉はしてもいいの?

「ねぇねぇ!この中古マンション良くない!?建物自体は古めだけど、駅にかなり近いよ!」
「ほんとだ!中の設備もピカピカだし、新築マンションみたいじゃん!しかも新築マンションよりかなり安い!」
「でしょ?でもさ、私たちの貯金だと、頭金とか手付金とか、初期費用が不安よね・・・」
「たしかに。仲介手数料がかなり高いみたいだけど、値引きとかできないのかな?」

そもそも中古マンションを購入する際に、仲介をしてくれた不動産会社に支払う仲介手数料について、値引き交渉をしてもよいのでしょうか?また中古マンションの中でも、売主が個人である場合に仲介手数料の交渉が難しい理由についてもご説明いたします。

「交渉のタイミング」については、こちらの記事をご覧ください。

仲介手数料の値引き交渉をすることはできるが一定の条件が必要

不動産業者が仲介手数料として受け取ることができる金額については、宅地建物取引業法で制限されていますが、制限されているのはあくまでも報酬の上限額であり、下限額の規定はありません。つまり、値引き交渉することは可能です。ただし、仲介手数料は仲介業務を行う不動産会社の唯一の利益ですから、値引きをするためには「物件の売主から仲介手数料をもらうことができる」という条件が必要です。

仲介手数料は、買主と売主を結び付けて契約させることで受け取ることができる成功報酬ですから、買主からも売主からも仲介手数料を受け取る権利があります。もし、売主から仲介手数料をもらうことができるのであれば、買主の仲介手数料を値引きしたとしても、不動産会社は一定の利益が確保できるのです。

売主が個人の場合、仲介手数料の値引き交渉が難しい

それでは「物件の売主から仲介手数料をもらうことができる」のは、どんな場合かについて考えてみましょう。

とある個人が中古マンションを売りたいとして、不動産会社Aに仲介の依頼をします。ここで不動産会社Aは買主を探すわけですが、不動産会社A自身が買主を見つけることができれば、「物件の売主から仲介手数料をもらうことができる」ため、買主の仲介手数料については値引きが可能です。

しかし、不動産会社Aは売主との契約によって、不動産業者が閲覧する専用のデータベース(レインズ)に物件を載せる義務が課されるなど、買主を広く探す義務が課されます。ここで、そのデータベースを見た不動産会社Bが、買主を見つけてきたらどうなるでしょうか。

晴れて売買契約が成立したとして、不動産会社Bは買主から、不動産会社Aは売主から仲介手数料を受け取ることができるのですが、どちらの不動産会社も、売主と買主の両方から仲介手数料をもらうことはできません(業界用語で「分かれ」という)。

つまり、ただでさえ少ない利益について、さらに利益を削ることには消極的といえるでしょう。

売主がリノベ―ション業者などの不動産業者であれば、仲介手数料の値引き交渉がしやすい

売主が個人の中古マンションは、現状のまま、もしくは部屋の修繕をした程度で売り出されている場合が多いですが、リノベーションされた古マンションについては、業者が個人から中古マンションを買い取ってから、リノベーションをすることが多いといえます。この場合、売主はリノベーション業者になります。

リノベーション業者などの不動産業者が売主の場合、買主を見つけてきた不動産会社に対して、ほとんどの場合、仲介手数料を成功報酬として支払ってくれます。つまり、「物件の売主から仲介手数料をもらうことができる」ため、買主からの仲介手数料については値引きがしやすいといえるのです。

交渉するならどんな方法がいい?有利に交渉が運ぶ5つの条件・シチュエーション

中古マンションの仲介手数料を値引きするためにはどのようなタイミングや方法が良いのでしょうか。先に挙げた売主が個人ではなくリノベーション業者である中古マンションであるという条件を含め、値引き交渉が有利に運ぶ5つの条件やシチュエーションについて、ご説明いたします。

中古マンションのリノベーション物件を狙う

リノベーションされた中古マンションは、インターネット上の広告やチラシでは、売主が個人であるか業者であるか判断がつきません。もっとも、契約の段階で売主の名前が伏せられることはありませんが、あらかじめ、仲介業務をしてくれる不動産会社に、売主が個人か業者かどうか、確認してもよいでしょう。

多くの不動産会社が取り扱っている物件を狙う

売主が中古マンションを売り出したいと考えた時、複数の不動産会社に仲介を依頼することができます(一般媒介契約という)。この場合、不動産会社同士は競争し合う立場になります。つまり、仲介手数料を値引きしてでも、その物件が売れるなら売りたいと考えていることになります。

特に、インターネット上の物件検索ポータルサイトなどで、多くの不動産会社が広告を載せている場合は特に、売りたいと考えている物件といえるでしょう。広告費用については、売主からの特別な依頼が無い限り、不動産会社が自腹を切ることになるからです。

閑散期を狙う

中古マンションを売り出しにかけている以上、早くその物件を売りたいと考えているはずですが、不動産売買の閑散期であればなかなか買い手が見つからず、売れ残ってしまっている場合もあります。このように、売れるタイミングを逃した物件は、値引き交渉に応じやすいといえるでしょう。

ズバリ、1年の中で、売買契約が一番閑散とするのは1月と8月です。逆に、繁忙期は2月と3月になります。賃貸物件にも同じことがいえますが、新年度からの新生活に向けて、マイホームを新しく購入しようという方が多くなるのです。

媒介契約の3か月目を狙う

こちらは客観的な判断が難しいのですが、売主が不動産会社と結ぶ仲介(媒介)契約が切れるタイミングを狙うという方法です。仲介(媒介)契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類がありますが、専属専任媒介契約と専任媒介契約については、仲介業務を依頼できる不動産会社が1社のみと限定されるため、特に売主と不動産会社の結びつきが強い契約といえます。

仲介を依頼できる不動産会社が1社のみということは、売れれば仲介手数料を売主からもらうことができるのはもちろん、買主を見つけて成約することができれば、買主からも仲介手数料をもらうことができるのです。

しかし、全ての仲介(媒介)契約は3ヶ月以内に限定されるため(一般媒介は制限がないものの、3ヶ月以内が望ましいとされている)、もし、専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んでいる不動産会社がなかなか買主を見つけてきてくれない場合、売主は、契約の更新を止めて別の不動産会社へ仲介を依頼することもできます。

そのため、媒介契約の3ヶ月目の交渉であれば、売主との仲介(媒介)契約更新の有無にもよりますが、仲介手数料の値引き交渉に応じてくれる可能性もあるのです。

なお、仲介(媒介)契約が3か月目であることを知るのは難しいのですが、まず大前提として、インターネット上の物件検索サイトへの掲載やチラシなどの広告を行っていれば、何らかの仲介(媒介)契約を結んでいることは間違いありません。

インターネット上の物件検索サイトへの掲載が仲介(媒介)契約を受けたタイミングとは限らないものの、新しい中古マンションがインターネット上の物件検索サイトに掲載されてから3ヶ月目という考え方でもあながち間違いではありません。また、長らく同じ物件の掲載を続けており、取り扱いの不動産会社が1社しかいない場合なども、なかなか売れてない物件として、仲介手数料の値切り交渉がしやすいと考えらます。

大手不動産会社は避ける

大手の名の知れた不動産会社が仲介手数料の値下げに応じてくれる可能性は低いです。それは、会社としての方針があるためで、一人ひとりの営業マンによって裁量があるわけではありません。そして、対応する顧客数も必然的に多いため、一人のお客様に対して仲介手数料を値引いてしまえば、他のお客様が黙っていないということです。

もちろん、中小の不動産会社は、1件1件の仲介手数料が会社の利益として重要ですから、利益を削ることには消極的でしょうが、ある程度の裁量をもって、対応してもらえるでしょう。

仲介手数料はなるべく安くしたい。いくらまでなら交渉OK?

仲介手数料をなるべく安くしたいと考えた時に、一体いくらまでなら交渉することができるのでしょうか。

売主から仲介手数料をもらえれば、ある程度の融通は利く

例えば、3,000万円の物件を1社の不動産会社で仲介できた場合、売主からも買主からも仲介手数料の上限額(物件価格の3%+6万円)である96万円(税別)の仲介手数料を受け取ることができるため、合計192万円が報酬となります。5,000万円の物件であれば、報酬の合計は312万円にもなるのです。

一契約の仲介業務で数百万の報酬になるわけですから、そこから値引きをすることも可能でしょう。買主の仲介手数料を無料とする不動産会社が増えてきたことにも納得です。

売主から仲介手数料をもらえない場合、10%程度が一般的

しかし、売主から仲介手数料をもらえない場合には、3,000万円の物件の成約で96万円、5,000万円の物件の成約で156万円の報酬であり、半額に目減りします。

目減りしたとしても高額に感じられるかもしれませんが、契約書の作成や物件の価格交渉、住宅ローンのあっせん、重要事項説明など、仲介業務には様々手間や人件費がかかることは間違いありません。値引きができたとしても、「10%程度の値引き」が限界ではないでしょうか。仲介手数料の値引きをしてもらうより、物件本体の値引き交渉を頑張ってもらうほうが、はるかに建設的かもしれません。

仲介手数料を値引き交渉する時の注意点

仲介手数料を値引き交渉するときにはそのタイミングに注意しましょう。また、過剰な交渉も避けるべきという理由についても、ご説明いたします。

値引き交渉のタイミングはマナーをもって、過剰な交渉は逆効果

仲介手数料は、仲介業務を行う不動産会社の唯一の報酬です。その唯一の報酬に対して、強引な値引き交渉を行ったり、契約がまとまった後のタイミングで行うのは、明らかにマナー違反といえます。もちろん、契約書面を交わす前後まで交渉が進んだのに、クーリングオフなどを材料に「仲介手数料を値引きしてくれないと、契約は破棄する」などという駆け引きはやめましょう。もし、値引き交渉をするのであれば、購入希望の意志が固まり、本契約前に行う申し込み段階が最適のタイミングです。

もっとも、不動産売買の仲介業務は誰にでもできるわけではなく、業務の中でも重要事項説明は国家資格をもった宅建取引士でなければ行うことができません。そのような専門的な作業を行ってくれる他、買主の立場に立って、物件探しや内覧、値引き交渉などを行ってくれるわけですから、様々な手続きを協力的に行ってもらうためにも、相手に迷惑がかかるようなタイミングでの、仲介手数料の値引き交渉は避けるべきでしょう。

はじめから仲介手数料を無料や値引きしている不動産会社であれば安心

優良な不動産会社は消費者目線に立ち、広告費や人件費などのコストをできるだけ抑えています。自助努力で仲介手数料を無料としたり、値引きとできるように経営を成り立たせています。このような会社に仲介を依頼すれば、初めから値引き交渉をする必要はありません。

ただし、このような不動産会社の中には、仲介手数料以外の名目で料金を搾取するような悪質な業者も混ざっている可能性もありますので、十分に注意しましょう。

おわりに:仲介手数料の値引きは最低限のマナーを

不動産会社へ支払う仲介手数料は値引きできないわけではありませんが、売主から仲介手数料をもらえず利益が限られている場合において、過度な交渉や駆け引きをするのは明らかなマナー違反です。

今回ご説明した、仲介手数料の値引き交渉がしやすい5つの条件やシチュエーションを踏まえながら、不動産会社との信頼関係が崩れない程度に、値引き交渉をしましょう。また、仲介手数料の代わりに物件の価格交渉をお願いするのも、良い方法といえるでしょう。

この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓

長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。

個人ブログ:https://ameblo.jp/total-advise-company/

関連記事