築古マンションは何年前の建物?住むメリットとリスクについて解説

築浅マンションとは建物ができてからまだ日が浅いマンションを指しますが、一方で、築古(ちくふる)マンションが存在します。築古マンションとはどのようなマンションなのでしょうか?

  • 一般的には、築古マンションといわれるのは築20年~30年程度
  • 鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年であるが、あくまでも便宜上の数字であり、実際に住める年数はさらに長い
  • 築古マンションのメリットは、立地と価格に優れており、リノベーション済であれば内装も新築同様であること
  • 築古マンションのデメリットは、購入後に修繕が必要となる可能性があり、資産としての価値が残しにくいこと
  • 購入前に外観や共有部のチェック、修繕積立金の確認、ホームインスペクションなどでリスクを軽減することは可能

この記事では、築古マンションの定義や、築古マンションに住むメリットやリスクについて、詳しく説明していきます。

築古マンションとは?何年前のマンションを指す?

  • 築古マンションといわれるのは築20年~30年程度であるが、それ以上古い場合もある
  • 鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年であるが、あくまでも便宜上の年数である
  • 昭和56年(1981年)を境目として、マンション選びに重要な新耐震基準と旧耐震基準に分類されており、昭和56年(1981年)に建てられたマンションは、ちょうど築40年に該当する(2021年時点)

まずは、築古マンションの定義について確認していきましょう。

築古マンションにはっきりとした定義はないが…

築浅マンションについては、築5年以内~10年以内のマンションを示していることが多いですが、築古マンションについては決まった定義はありません。不動産業界では築20年~30年程度のマンションが主に築古マンションと言われますが、築40年~50年程度のマンションも築古マンションとされていることがあります。

なお、鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年とされていますが、この年数はあくまでも便宜上決められた年数であり、実際には築100年でも利用できるといわれています。実際に木造一戸建ての法定耐用年数は22年とされているものの、築22年以上であっても普通に利用されていることがお分かりいただけると思います。

もちろん、鉄筋コンクリート造マンションが築100年でも利用できるというのは、あくまでも耐震性が備わっており、地震によって損傷を受けなかった場合に限る年数ですが、47年という法定耐用年数を鑑みても、築40年を超えた築古マンションが十分に利用に耐えうることの証明にもなっています。

築古マンションの分類基準として昭和56年(1981年)

建物の耐震基準は昭和56年(1981年)を境目として、新耐震基準と旧耐震基準に分類されています。この耐震基準は言葉のとおり、地震に対する建築物の耐久構造の基準ですが、旧耐震基準が「震度5強程度の地震では、ほとんど建築物が損傷しない」と規定されている一方で、新耐震基準は「震度6以上の地震に耐えられること」と規定されています。

つまり、2021年現在を基点とした場合、1981年に建てられた物件は築40年の物件ですが、築40年以内の新耐震基準の物件であれば、耐震基準に関してはあまり気にする必要はない築古マンションであるといえます。一方で、旧耐震基準の築古マンションの場合には耐震補強がなされているかなど、確認をしておくべきでしょう。

築古マンションのメリットとは?

「このマンション、立地もいいし安いな~と思ったら、かなりの築古マンションだったわ…」
「そうか…せめて耐震基準が新基準でないと不安だよね?」
「不安もあるけど、本当に問題あるのかしら?リノベーションしてあって、外観は古っぽいけど、内装は新築同様でこの価格なのよ!」
「たしかに、そんな危険な建物だったら売りに出さないはずよね?」

築古マンションが多く存在している理由は、それだけの需要が存在しているという証明でもあります。まずは築古マンションのメリットを確認していきましょう。

何といっても立地や価格に優れている!

築古マンションの最大の魅力は立地です。昨今では駅近くの都心部などにおいて、余っている売地はほとんどありません。築古マンションは、都心部の土地が高騰する前に建てられたマンションであることが多いため、思わぬ立地に建てられた後、住民が継続的に住んでいることなどから取り壊されずに現存している場合が多いのです。

そして、あまりにも築古であることから敬遠されることもあり、比較的価格が安く売買されているということもメリットです。駅近くで割安な物件は、築古マンションであることが多いといえるでしょう。

リノベーションで新築同等の内装になっている!

築古マンションは、そのままの内装では売り手がつかないこともあるため、内装がすべてリノベーションされ、ほぼ新築のような状態で売り出されていることも多いといえます。もちろん、リノベーション前の物件を安価で購入し、自分好みにリノベーションしてから住むという利用方法もあるでしょう。

中古マンションで気になる物件があったら値引き交渉してみましょう。交渉が成功する条件やシチュエーショをこちらの記事で解説しています。

築古マンションに住むデメリットとは?

好立地、割安などのメリットがある築古マンションには、どんなデメリットがあるのでしょうか?デメリットについてもしっかりと認識しておきましょう。

購入後に修繕が必要な場合がある

新築マンションのようにリノベーションされた築古マンションであっても、内部はそれなりのダメージがありますから、配管などの見えない部分で修繕が必要となってしまう可能性があります。もちろん、物件選びの際に、管理状態が良いマンションを探すことで、このような事態を避けることは十分に可能ですが、一定のリスクがあることは認識しておかなければなりません。

修繕が多くなれば、せっかく割安で購入したとしても、余計な出費が増えることになります。特に残置物であるエアコンや給湯器などは数年のうちに入れ替えなければならない可能性もありますので、内見時にしっかり確認しておきましょう。

資産としての価値が低い

もし、将来的に住み替えを検討している場合などにおいては、売却時にどのくらいの価格で売れるか、そもそも買い手が現れるかどうかについても、十分に理解しておかなければなりません。たとえば、築40年のマンションに20年住んだ後に売却をする可能性があれば、築60年のマンションを売却することになるのです。

築古マンションを購入する場合に限っては、将来住み替える際の売却価格や遺産としての価値を考えずに、あくまでも生涯に渡って住み続けるマイホームとして、割り切って購入すべきかもしれません。

住宅ローン審査に通らない可能性も

金融機関にもよりますが、築年数があまりにも古い場合には住宅ローンの審査に落ちることや、仮に審査が通る場合であっても、長期間のローン契約ではなく、完済までの期間が短いローン契約に限られることもあります。

住宅ローンの審査には事前審査と本審査がありますが、前者は契約者の返済能力について確認をして借入可能額を示すものであり、後者は物件の担保性も含めて、住宅ローンを貸してもリスクが少ないかについて、全体を審査するものです。

つまり、万が一住宅ローンの返済が滞った際に、売却しても買い手が付かない物件だったり、金融機関が抵当権などを実行して競売にかけた際に債権の埋め合わせにならないような物件に関しては、審査落ちの可能性が高くなるのです。

住宅ローンが組めるか心配、どの金融機関を選べばいいのかわからない方は、住宅ローンアドバイザーがいる不動産会社で相談してみるとよいでしょう。

また、住宅ローンを組む前に確認していただくと良いのが、年収と返済可能額の目安です。こちらの記事で解説していますのでぜひ参考にしてください。

築古マンションを選ぶときのポイントと注意点

メリットもデメリットもある築古マンションですが、そんな築古マンションを選ぶ際のポイントにはどのようなものがあるでしょうか。築古マンションを購入して後悔しないように、事前のチェックを怠らないようにしましょう。

外観や共有部を目視チェックする

築古マンションですから外観は老朽化している可能性はありますが、管理が行き届いている築古マンションであれば外観がしっかり塗装され、思ったよりも綺麗に感じることもあります。また、建物に沿っている配管部分などを確認し、老朽化の度合いを目視してみましょう。

さらに、正面玄関や廊下など、共有部が綺麗に清掃されていることも管理が行き届いているポイントになります。もちろん、清掃については管理人次第である可能性もありますが、マンションの住民がどれだけ管理面に気を遣っているかを推し量ることもできますし、定期的に清掃業者を入れていたり、徹底的にメンテナンスをしている管理をしていれば、購入後に老朽化の影響があったとしても、しっかりと対応してもらえる期待が高まります。

修繕積立金や修繕計画は適切か

修繕積立金の負担や滞納が無いか、積立金総額はどれくらいかなど、事前に確認しておくことも重要です。これらが適切でないと、マンション購入後、大規模修繕が行われることになった場合に、多大な一時負担金を支払う必要がでてきます。これは、避けることができない費用負担です。

心配な場合はホームインスペクション(住宅診断)を検討しましょう

マンションの場合には一戸建てと異なり、ホームインスペクション(住宅診断)で確認できる部分は限られますが、専門家によるチェックによって、入居後に発生する可能性のあるトラブルを未然に防ぐことにもつながります。有償となりますが、第3者の目線で的確なアドバイスを受けることができますので、築古マンションの購入を検討している場合には、積極的に利用すべきではないでしょうか。

おわりに:築古マンションには掘り出し物がある可能性も

あまりにも築年数が古いマンションの購入は敬遠しがちかもしれませんが、思わぬ立地に割安な物件を見つけることができる可能性も十分にあります。耐用年数からもわかるように、築古だから住むことができないというわけではありませんので、事前にリスクやチェックすべきことをしっかり確認してから、お得な築古マンションの購入を目指してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓

長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。

個人ブログ:https://ameblo.jp/total-advise-company/

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