住宅購入を決めたのに手付金が払えないときはどうしたらいい?5つの対処法を解説

住宅購入の際には売買代金だけではなく、売買契約に関する様々な初期費用が発生します。その初期費用の中でも重要な意味合いを持つのが、手付金です。住宅購入の際の手付金については、以下のようなポイントがあります。

  • 手付金には、売買契約後の一方的な契約解除を防ぐための「解約手付」の意味合いがある
  • 支払いが必須ではない頭金や、住宅ローン融資後に支払う諸費用と異なり、民法で定められた費用である上、自己資金による現金払いが必須
  • 相場は売買代金の5%~10%
  • 手付金は売買契約から住宅ローン融資までの間のみ一時的に必要な資金

この記事では、住宅購入の際に自己資金として支払う必要がある手付金が支払えない場合の対処法について、詳しく説明していきます。

住宅購入にかかる手付金とは?

「はぁ・・・今月も家計のやりくりがギリギリだったわ…マイホームなんて夢のまた夢ね…」
「そうかな?最近ではフルローンにしてマイホームを購入する人たちも増えてるでしょ?」
「確かにそうなんだけど、手付金だけは支払う必要があるみたいなの。」
「ほんとだね…法律で決められた費用ならなおさらだな…」

住宅購入にかかる手付金とはどのような意味合いがあるのでしょうか?まずは住宅購入に必要となる初期費用の内訳から確認していきましょう。

初期費用は大きく分けて3種類

住宅購入にかかる初期費用は、頭金、手付金、諸費用の3つに分類されます。

頭金に関しては、住宅ローンを組む際に支払う初期費用であり、以前は金融機関に対する与信の意味合いがあったのですが、現在では頭金なしのフルローンで住宅ローンを組む方も多くいらっしゃるため、住宅購入に必ず必要となる費用ではなくなりました。あくまでも住宅ローンの利息負担の軽減の意味合いで支払われるものです。

手付金については、売買契約締結時に支払われる初期費用であり、民法に規定されている費用です。基本的には現金一括払いであり、支払った金額は後ほど売買代金へ充当されます。また、後述する諸費用とは異なり、住宅ローンの融資前に準備が必要な費用であるため、原則自己資金で支払う必要があります。

そして、諸費用については、契約を行うにあたっての事務費用を指し、不動産仲介業者に支払う仲介手数料や、登記費用、住宅ローン手数料などが該当しますが、住宅ローンの融資後に支払う費用であるため、住宅ローンの借り入れに含めておけば、自己資金として用意する費用はありません(金融機関によっては制限あり)。

なお、初期費用の詳細につきましては、こちらの記事をご参照ください。

手付金の意味合いと相場

売買契約締結時に手付金を支払う意味は、支払う手付金に「解約手付」の意味を持たせるためです。万が一、買主が一方的に契約解除を行った場合には、売主に対してのペナルティとして、手付金を放棄することになります。一方で、売主が一方的に契約解除を行った場合にも、買主に対してのペナルティとして、手付金を2倍にして返却するという決まりがあるのです。

このように、売買契約について一定の拘束力を持たせる意味合いで支払われる費用ですから、金額に関してもそれなりに高額です。相場は売買代金の5%~10%であり、3,000万円の住宅を購入した場合には150万円から300万円もの自己資金を、現金で支払う必要が出てくるのです。

手付金が支払えないときの対処法5つ

手付金が支払えないときの対処法としては、以下の5つが挙げられます。

  • 手付金の減額交渉をする
  • 手付金が安い住宅を購入する
  • 両親や親戚に一時的に借りる
  • カードローンなどで一時的に借りる
  • 勤務先の社内融資で一時的に支払う

それぞれの対処法について、1つずつ確認していきましょう。

その1 手付金の減額交渉をする

先述した手付金の相場は、あくまでも相場であって決められた金額ではありません。売主との交渉によっては手付金を減額することが可能です。売買契約後に簡単に破棄されないようにするための担保であるため、0円で済むという可能性は少ないとはいえ、必ず購入したいという誠意が伝われば、減額に応じてもらえる可能性もあります。担当する不動産仲介業者に相談してみましょう。

こちらは仲介手数料の値引き交渉の仕方ですが、交渉の条件等の参考にしてみてください。

その2 手付金が安い住宅を購入する

住宅の中には、あらかじめ手付金が安くても良いという条件が付けられている場合があります。これは、手付金のハードルを下げてでも住宅を売りたいという売主の意向によるものです。ただし、手付金が安いからといって、そのような住宅を優先的に選ぶのは本末転倒です。住宅探しはあくまでも希望条件に合ったものを第一優先としましょう。

その3 両親や親戚に一時的に借りる

手付金はあくまでも一時的に必要な資金であり、住宅ローンが融資された際には返金されることになりますから、親族に頼んで一時的に工面するという方法も考えましょう。何年間も借りるわけではなく、売買契約から不動産決済までの期間は概ね1ヶ月程度です。その期間だけ建て替えてくれる親族がいれば、積極的にお願いすべきでしょう。

その4 カードローンなどで一時的に借りる

頼れる親族がいない場合には、自らカードローンなどで一時的に借りることも検討しましょう。ただし、住宅ローンの本審査が行われるのは、売買契約が行われた後であることには注意が必要です。つまり、住宅ローン本審査の際に、借り入れがあることを申告しなければいけませんから、このことが原因で融資額が引き下げられたり、本審査に落ちてしまう可能性もあります。自身で工面する前に、不動産仲介業者に相談したほうが良いでしょう。

その5 勤務先の社内融資で一時的に支払う

勤務先によっては、住宅購入の際に融資をしてくれる制度を用意していることがあります。社内融資については、企業が直接融資をしている場合と、提携先の金融機関から融資をする場合とに分かれます。企業が直接融資をしている場合、返済は退職時の一括返済となるため、住宅ローンの本審査に与える影響も少ないといえますが、退職や転職が近い方にとっては、一括返済がリスクとなる可能性があります。また、融資までの時間が長くなる可能性もあるため、注意が必要です。

不動産仲介業者が融資するのは違法行為

不動産仲介業者の唯一の報酬は、売買契約が成約した場合の仲介手数料であるため、手付金が支払えずに売買契約が破棄となってはおもしろくありません。そこで、買主に対して不動産仲介業者が手付金を融資するという発想が生まれますが、手付金の融資は宅建業法にて禁止されている行為です。違法行為ですから、不動産業者からの誘いに簡単に応じないようにしましょう。

おわりに:手付金はあくまでも一時的に用意する金額である

手付金は民法上、住宅ローンの融資が降りるまでの間、現金での支払いが必要な費用ではありますが、融資の実行と共に、手元に戻ってくる費用でもあります。

フルローンでも問題は無い時代とはいえ、売買代金の5%程度は工面できるようでなければ、晴れて住宅を購入したとしても、返済に苦労する可能性もあるため、手付金程度の貯蓄をしたうえで、住宅の購入を検討するべきでしょう。

この記事を監修した人

宅地建物取引士小林弘卓

長野県軽井沢生まれ、群馬県高崎市育ち。教員免許を取得したのち、教育関係の仕事に従事も、現場にて母子家庭や貧困家庭を目の当たりにし、何か役に立つことはできないかと決起。ファイナンシャルプランナー2級およびAFP、宅地建物主任者の資格を取得後、家計のやりくりから投資運用などお金のアドバイスだけではなく、様々なお悩み事を第3者の視点でアドバイスすることを目的とした「トータルアドバイズ」代表として活動。九星気学鑑定士としての人生相談も好評を得ている。

個人ブログ:https://ameblo.jp/total-advise-company/

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