不動産売却に必要な費用と仲介手数料、抑えるポイントを解説

不動産売却では売買代金の4~6%程度の「諸費用」が発生します。
そのため、売却する際には諸費用の支出額も想定しながら売出価格を判断しなければ、売却後の手残りの現金が想定よりも低くなってしまう可能性があるため注意が必要です。

この様な状況を避けるためにも「どんなお金が・どんな時に・どの程度かかるのか」を事前にしっかり把握しておくことが重要です。
本記事の主な内容は以下のとおりです。

  • 諸費用は一般的に売買代金の4~6%程度が必要と言われている
  • 譲渡益が出た場合「不動産譲渡所得税」が発生する
  • 仲介手数料は売買代金の3%程度がかかり、諸費用の大きな割合を占める
  • >条件交渉を安易に受け入れないことが諸費用を抑えるコツ
  • >売却成功の可否は仲介会社に大きく影響される

今回は売却を検討されている方に向けて、不動産売却に必要な一般的な費用と諸費用の中でも特に大きな割合を占める「仲介手数料」について、賢く抑えるポイントなども含めて詳しく解説していきます。

不動産を売るにも費用がかかる

不動産売却をする際には、下記の様に「諸費用」と呼ばれるさまざまな支出が想定されます。

  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 抵当権抹消登記費用
  • ローン完済に掛かる費用
  • 測量費
  • 解体費
  • 住宅診断費

諸費用は一般的に売買代金の4~6%程度が必要と言われています。そして、費用のほとんどは「契約締結時」と「決済時」に支払いが発生します。
ただし、購入検討者から条件として住宅診断(ホームインスペクション)を依頼された場合や更地渡しを条件とされた場合、それら診断費用や解体費用は契約締結前後に売主負担により行う必要があります。

また、売却時に住宅ローンが残っている場合は登録免許税および登記手司法書士への報酬を合わせた「抵当権抹消登記費用」および住宅ローンの貸主である金融機関への「抵当権抹消事務手数料」が発生します。

さらに売却後には「不動産譲渡所得税」が発生する可能性があります。
不動産譲渡所得税は売買代金から購入代金や売買に要した諸費用を差し引いた「譲渡益」に課税されるものであり、この譲渡益に対して概ね20~40%程度の税金が課されます。
なお、マイホームを売却する場合は3,000万円の特別控除が適用されるため、特殊な場合を除いて不動産譲渡所得税が発生することはほとんどありません。

ただし、逆に言えば譲渡益が出た場合は、売却翌年に高額の納税が発生する可能性があるため十分な注意が必要です。
なお、税金面についてはトラブル回避の観点から仲介会社は詳しい助言ができません。心配な方は税務署に問い合わせるか、あるいは仲介会社などが開催する税理士の無料相談会などを利用し、税金面については売却前にしっかり解決しておくことをおすすめします。

不動産売却時にかかる仲介手数料とは?

「仲介手数料」は仲介依頼した不動産仲介会社に支払う費用です。
仲介手数料は成果報酬であり、支払うタイミングは「契約時と決済時に50%ずつ」、もしくは「決済時に100%」いずれかを仲介会社と協議のうえ選択します。

なお、仲介手数料は「宅地建物取引業法」によって報酬額の上限が設定されています。この上限額は下記の式によって算出されます。

  • 売買代金の200万円の部分:5%以内(税抜)
  • 売買代金の200万円超から400万円の部分:4%以内(税抜)
  • 売買代金の400万円超の部分:3%以内(税抜)

例として、売買代金が3,000万円である場合の仲介手数料の上限額を計算します。

  • 200万円の部分:200万円×5%=10万円
  • 200万円超から400万円の部分:200万円×4%=8万円
  • 400万円超の部分:2,600万円×3%

上記それぞれの合計は96万円となり、これに消費税10%を乗じた「105.6万円」が仲介手数料としての総支払額です。
このように、仲介手数料は売買代金の約3%となるため諸費用全体の大きな割合を占めているのです。

仲介手数料には速算式がある

先程紹介した計算方法では非常に手間がかかるため、通常は下記の速算式を利用して算出します。

  • (売買代金×3%+6万円)×消費税

この速算式を使えば、先ほどの様に部分的に計算しなくても仲介手数料を算出することができます。もちろん、例にした3,000万円をこの式に当てはめれば算出される金額は105.6万円です。

]

不動産売却にかかる費用を抑えるコツ

諸費用を抑える方法としては以下2つが挙げられます。

  • 条件交渉を安易に受け入れない
  • 仲介手数料を抑える

条件交渉を安易に受け入れない

購入検討者が見つかった場合は、先述したホームインスペクションや解体更地渡しを売買条件として交渉を受ける場合があります。この時、売主感情としては極力早く売却したいという想いから条件を受け入れてしまうケースも多いのですが、これはあまり得策とは言えません。

費用負担が発生することはもちろん、交渉を受け入れて住宅診断や解体工事の手配をしている間にもっと条件の良い購入検討者が現れる可能性もゼロではありません。さらに引き渡しまでの期間が長引けば、その分だけ固定資産税などのランニングコストが発生します。

解体を受け入れる気持ちがあるのであれば、解体費用分だけ売買代金から差し引いた方が基本的には総額のコストは低減されることになります。
この様に、直接金額として見えない「時間のコスト」を意識することも費用を抑えるポイントなのです。

仲介手数料を抑える

仲介手数料を抑えることもコツの一つと言えます。
先述のとおり仲介手数料は売買代金の約3%程度であり、諸費用の内訳の半分もしくはそれ以上を占めています。

ただし、この金額はあくまで法律に定められた上限であり、協議によっては金額を下げることも可能です。仲介会社によっては事前に仲介手数料を値引きしているところもあるため、興味のある方は相談してみるのも良いでしょう。

しかし、不動産売却の成功可否は仲介会社の経験や質が大きく影響するため、仲介手数料が安いからと言って安易に依頼することはおすすめできません。必ず「信頼できる仲介会社であるかどうか」を最優先の決定条件としましょう。

不動産の仲介手数料について、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

おわりに:手残りの金額を把握するためにも、諸費用は事前に必ず調べておこう

不動産売却では売買代金の4~6%程度の「諸費用」が発生し、そのほとんどを「契約締結時」と「決済時」に支払います。
この諸費用の中でも「仲介手数料」は大きな割合を占めており、その金額は法律により売買代金の3%程度とされています。

諸費用を抑えるためには「条件交渉を安易に受け入れないこと」が大切です。売却期間が長引けば、その分だけ税金や住宅ローンなどのランニングコストが発生しています。仮に解体条件などを受け入れる気持ちがあったとしても、解体費用分だけ売買代金から差し引くなど「時間のコスト」を意識した対応が求められます。

また大きな割合を占める仲介手数料を交渉してみることも方法の一つです。ただし、不動産売却は仲介会社の経験や質が成功可否に大きく影響するため、仲介手数料が安いからと言って安易に依頼することはおすすめできません。必ず「信頼できる仲介会社であるかどうか」を依頼先としての決定条件としておきましょう。

この記事を監修した人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

関連記事