売却を依頼すべき信頼できる不動産仲介会社の特徴と選び方

「不動産売却の成功の可否は不動産仲介会社で決まる」と言っても決して過言ではありません。
不動産売却では、購入するよりも遥かに多くの手続きや判断が求められます。専門的な知識が求められる不動産取引において、不動産仲介会社には物件の査定から引渡しまで、売却にかかるほぼ全ての業務や手続きを依頼することとなります。そのため不動産仲介会社の質や経験の差が、ダイレクトに取引スピードや成約価格に影響するのです。

本記事の主な内容は以下のとおりです。

  • 不動産会社(宅地建物取引業者)の数は全国で12万件以上
  • 「良い不動産仲介会社」にはいくつかの共通点が存在する
  • まずは「宅建業免許番号の数字」をチェック
  • 定価格が突出して高い会社には要注意

国土交通省の調査によると、不動産会社(宅地建物取引業者)の数は全国で12万件以上(※)と言われています。コンビニが約5.5万件であることからすると、非常に多くの不動産会社が存在していることが分かります。

当然、全ての不動産会社が売買仲介を取り扱っているわけではありません。また、エリアによって仲介会社の数は異なるとしても、これらの中から「良い仲介会社」を選ぶのは簡単ではありません。

しかし、「良い不動産仲介会社」にはいくつかの共通点が存在します。逆に「悪い不動産仲介会社」にも特徴があるため、仲介会社を選ぶ際はこれらポイントを押さえることで、仲介会社の良し悪しをある程度判別することが可能なのです。

今回は不動産売却を検討されている方に向けて、信頼できる不動産仲介会社の特徴と選び方を解説していきます。

(※)参考:報道発表資料:宅地建物取引業者数 6年連続で増加~令和元年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について~ - 国土交通省

不動産仲介会社の特徴

不動産仲介会社とは、不動産取引において仲介業務を行う会社を指します。会社として仲介業務を行うためには「宅地建物取引業法」という法律に基づく免許を持ち、国家資格である「宅地建物取引士」が社員5名に対し1名以上が所属することが条件となっています。

売買仲介を取り扱っていない不動産仲介会社もある

不動産仲介会社には以下の様に3つの形態が存在しています。

  • 売買仲介を専業とする会社
  • 賃貸仲介を専業とする会社
  • 売買仲介と賃貸仲介の両方を取り扱う会社

ひとくちに不動産仲介会社と言っても、そもそも売買仲介を取り扱っていない場合があります。売買仲介と比べて賃貸仲介は売上および利益額が低いものの、その分事業リスクも低く安定しているため、実は賃貸仲介を専業とする会社は非常に多く存在しているのです。

大手仲介会社と地元仲介会社の違いとは?

不動産仲介会社には大小さまざまな規模の会社があります。「大手仲介会社」とは三井・三菱・住友・野村などの旧財閥系や、東急・小田急などの鉄道系など、大手不動産デベロッパーのグループ会社として展開している仲介会社がこれに該当します。大手仲介会社はCMなどの広告宣伝も積極的に行っており、社会的な認知度や情報チャネルが充実していることが特徴として挙げられます。

一方、地元を中心に展開している中小の不動産仲介会社は、エリアにおける独自の知見や情報網や有し、大手と比べて柔軟な対応に期待が出来ます。
また、大手仲介会社は定期的な人事異動による営業担当者の配置転換がありますが、中小仲介会社は組織が小さいが故に配置転換があまり発生せず、売却活動の途中で急に担当者が変わってしまうというリスクも低いと判断できます。

信頼できる不動産仲介会社の選び方

信頼できる不動産仲介会社の選び方として以下2つのポイントに注目しましょう。

  • 宅建業免許番号の数字
  • 会社の規模

宅建業免許番号の数字

宅建業免許番号の数字が大きいほど、会社としてのキャリアが長く一定の信頼ができると言えます。
「宅建業免許番号」とは、不動産会社が宅地建物取引業の免許を受けた際に割り振りされる番号のことを指します。事務所が複数の都道府県にまたがっている場合は「国土交通大臣免許(○)○○号」、都道府県のいずれか一ヶ所のみで営業している場合は「○○知事免許(○)○○号」と表記されています。

この(○)の数字は5年に1度行われる免許更新の頻度を指しており、更新のたびに数字が一つずつ加算される仕組みです。つまり、数字が大きいほど業界では長いキャリアを持つ会社であるため、数字の大きな仲介会社は相応の信頼ができると判断できるのです。

イエフリでは、毎月多くのお客様からお問合せがあり、加盟企業店でのご案内や査定対応が追いつかなくなったことから、イエフリでも宅建免許を取得し営業を開始いたしました。お気軽にお問い合わせください。

会社の規模

コンプライアンスの観点では、先述した大手仲介会社の様な規模の大きな会社には一定の信頼を置くことができます。大手仲介会社は上場企業も多く、法令に違反した場合は社会的制裁が大きいため、コンプライアンスに対する社員研修や社内啓蒙を非常に重要視しており、実際に実践しています。

ただし、社員の数が多ければ統制が難しいのも事実です。大手仲介会社だからと言って必ずしも営業担当者の質が担保されているわけではありません。あくまで「ある程度の安心」のレベルに留め、しっかりと担当者の質や経験値を見極めた上で依頼先を決定することが重要です。

こんな不動産仲介会社は売却を依頼してはいけない

不動産売却を依頼する際は、以下3つの特徴を持つ不動産仲介会社には注意が必要です。

  • 査定価格が突出して高い会社
  • 買取保証を積極的に推す会社
  • 一般媒介を勧める会社

査定価格が突出して高い会社

一括査定を行った場合、他と比べて明らかに高額な査定価格を提案する会社には要注意です。
仲介業は成約報酬であるため、そもそも仲介の依頼を受けなければ不動産仲介会社の売上・利益が発生することはありません。そのため、仲介会社の中には依頼を受けるため、無理を承知のうえで相場価格よりも高額な査定価格を提示する会社も存在します。

売主としては、相場より高額であったとしても、プロである仲介会社からの提示であれば信用してしまいます。しかし、仲介会社の意図は査定価格での成約ではなく、売り出し後に売主を説得して徐々に市場価格まで引き下げることにあります。全ての仲介会社が悪意でそのような方法を行っているとは言えませんが、これを常套手段とする会社が存在することも強く認識しておくこと必要があります。

買取保証を積極的に推す会社

買取保証を積極的に推す会社は、保証よりもむしろ「買取」の実現を第一義に考えている可能性があります。買取保証とは、媒介契約後に一定期間成約が実現しなかった場合、事前に合意した価格で買い取りを保証するというサービスです。

売却期間に限りがある売主にとっては安心なサービスではありますが、買取の場合は成約価格が相場価格の6~8割程度に低減されてしまいます。一方、不動産仲介会社にとっては自社で買い取って再販することで利益を確保する、あるいは知り合いの買取業者を紹介することで、売主と買主の両方から仲介手数料を得ることができるため、収益性の確度が高い取引が実現できるのです。

買取保証を利用することは一つの手段ですが、一部の不動産仲介会社はこのサービスの仕組みを利用し、売主の利益ではなく、自社利益を優先する会社も存在しているのです。

一般媒介契約を勧める会社

仲介会社との依頼契約である「媒介契約」には以下3つの契約形態があります。

  • 専属専任媒介契
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約

これら3つの大きな違いは、上から順に売主と仲介会社それぞれの拘束力が弱くなっていくことです。専属専任媒介では、1社の仲介会社にしか売却依頼ができないうえ、仮に親戚同士の取引であっても媒介契約を締結した仲介会社を必ず介在させ、仲介手数料を支払わなければなりません。

対して一般媒介は、複数の仲介会社に同時に売却依頼をすることができます。当然、仲介会社としては売主に対する拘束力が強い専属専任媒介、もしくは専任媒介を勧めることが多いですが、稀に一般媒介を勧める仲介会社もいます。

このような仲介会社は、売却の仲介業務を苦手としている可能性があります。売却・購入ともに仲介手数料の上限金額は法律により同額とされているにもかかわらず、売却の方が仲介会社にとって遥かに多くの時間とコストを要します。
そのため、売却の仲介は売上の確実性が高いものの、かかるコストを事業リスクとして考える仲介会社も多く、購入の仲介をほとんど専業として営業する不動産仲介会社も珍しくありません。

したがって、仮に査定依頼を受けたとしても媒介契約の獲得に対してあまり積極的でないため、結果として一般媒介を勧めている、という可能性があるのです。

なお、購入する場合には少し違う角度で不動産仲介会社の特徴に注意する必要があります。下の記事で詳しく解説していますので興味のある方はチェックしてみてください。

おわりに:不動産仲介会社の特徴は千差万別、なるべく多くの仲介会社に相談しよう

不動産会社の数は全国で12万件以上あり、その数はコンビニの数の倍以上と言われています。不動産売却の成功の可否は、不動産仲介会社の質と経験がダイレクトに影響するため、不動産仲介会社選びは最も注意すべきポイントの一つと言えます。

信頼できる不動産仲介会社としては「宅建免許番号の数字」や「会社の規模」をチェックすることで、ある程度の信頼度を測ることができます。
ただし、営業担当者は人であり、また会社の歴史や規模はあくまで指標でしかないため、これらが揃ったからといって決して万全とは判断できません。

まずは解説した「悪い不動産仲介会社」の特徴をしっかり理解したうえで、なるべく多くの不動産仲介会社と相談し、ご自身の不動産仲介会社や営業担当者に対する印象・感覚も大切にしながら判断することが重要です。

この記事を監修した人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

関連記事