新築一戸建ての引き渡しトラブルでよくあることとは?回避方法も解説

物件の引き渡しは、取引の中でも特に注意すべきタイミングです。
待望のマイホームが手に入ると思うと気持ちが高まってしまい、本来注意すべき点を見逃してしまう可能性があります。そのため、引き渡し後のトラブルを未然に防ぐためにも、引き渡しまでの流れや、引き渡しを受ける際のポイントをしっかり理解しておくことが重要です。

本記事の主な内容は以下のとおりです。

  • 「内覧会」と「確認会」は会社によって実施されない場合がある
  • 確認会と引き渡しは別日に行うことが理想
  • 口約束ではなく、メールや文書での連絡が大切
  • 売主が悪質な場合、まずは国民生活センターなどの相談窓口へ問い合わせよう

不動産取引では、一旦引渡しを受け「引渡完了確認書」にサインしてしまうと、その後不具合が見つかったとしても、売主に何らかの対応をしてもらうことが難しくなってしまいます。
今回は新築一戸建ての購入を検討されている方に向けて、引き渡しトラブルで多いケースや回避方法など、詳しく解説していきます。

こちらの記事では、新築一戸建てを仲介手数料無料にできる理由を徹底解説しています。

引き渡しまでの流れ

物件の引渡しまでは、下記のような流れで進行していきます。

  1. 物件の売買契約
  2. 物件の内覧会
  3. 物件の確認会
  4. 物件の売買代金支払い・引渡し

新築一戸建ての売主は、大手デベロッパーやハウスメーカー、パワービルダー、工務店などさまざまです。また、ひとくちに新築一戸建てと言っても「建売住宅」「注文住宅」の2種類があり、それぞれ購入に至るまでのプロセスは若干異なります。

建売住宅を購入するメリットとデメリットや仲介手数料についてはこちらの記事で確認できます。

4つのステップのうち、「内覧会」と「確認会」は会社によって実施の有無が異なります。大手デベロッパーやハウスメーカーが売主である場合は実施されることがほとんどですが、一部のパワービルダーや工務店などは、買主からの希望がなければ実施されないケースもあります。

なお、内覧会では買主が建物の傷や汚れ、不具合などを指摘し、確認会までに売主が補修します。そして、確認会で指摘事項の改善が確認でき次第、物件の引渡しが行われます。
丁寧な売主であれば、内覧会および確認会、引渡しはそれぞれ別日で設定されることが通例ですが、確認会と引渡しは兼ねて同日に行われる場合もあります。

物件の引き渡しでよくあるトラブル

引き渡しでは、下記の様なトラブルが想定されます。

  • 傷や汚れ、設備の不具合が見つかった
  • 説明とは異なる仕様だった
  • 書類や助成金に関する説明が不十分

傷や汚れ、設備の不具合が見つかった

引き渡しのトラブルとして最も多いのが、傷や汚れ、設備の不具合です。
建物が完成した際は、売主も工事会社から引き受ける前に「施主検査」を実施します。しかし、施主検査でも細かい傷や不具合が発見できない場合もあり、そのまま買主に引き渡してしまうケースがあるのです。

説明とは異なる仕様だった

注文住宅や建売住宅の未完成物件を購入した場合、事前の説明とは異った仕様で施工ケースされてしまうケースがあります。基本的には売主の発注ミスが原因となりますが、そのまま引き渡しを受けてしまった場合は、後々大きなトラブルに発展する恐れがあります。

また、完成物件であっても、引き渡し前にオプション工事を依頼する場合は注意が必要です。特にエアコンなどの季節物製品の設置を依頼した場合、商品の入れ替え時期に重なってしまったことで、旧型の製品が設置されてしまうなど、想定外となる可能性もあるのです。

書類や助成金に関する説明が不十分

物件の引き渡しには、非常に多くの書類も引き受けます。書類の中には建物検査済証や住宅性能評価書など専門的な書面も含まれていますが、売主によっては特段の説明をせずに引き渡してしまう会社や担当者も少なくありません。

専門的な書面であっても、助成金の申請などで必要なものも多く含まれています。そのため、いざ申請する際にどの書面が必要なのかが分からない、あるいはそもそも助成金に関する説明を受けていないために、本来貰えるはずの助成金の申請すらしていない、といったケースも珍しくないのです。

引き渡しトラブルを避けるには?

引き渡しトラブルを避けるために、以下3つを絶対に遵守にしましょう。

  • 引渡し前に確認会を行う
  • 必ずメールや文書で残しておく
  • 税金や助成金について確認しておく

引渡し前に確認会を行う

先述のとおり、確認会と引き渡しは同日に行われる場合があります。しかし、これらは別日に行うことが理想です。
引き渡し当日は、売買代金の支払いや登記手続きなどの「決済」を行います。通常、銀行や不動産会社の事務所で決済を行った後、現地に移動して引き渡し立ち合いを行うのですが、決済できた安堵とマイホームを手に入れた嬉しさのあまり、内覧会での指摘事項が改善していないことを見落としてしまう可能性があります。

引き渡し立ち合いが終わると「引渡完了確認書」にサインします。この書面にサインしてしまうと、後に傷や不具合を発見したとしても、売主としても対応が難しくなってしまう可能性があります。
したがって、確認会は別日に設定し、心身ともに余裕がある状態で指摘事項の確認をすることが重要なのです。

必ずメールや文書で残しておく

売主や仲介会社との決め事は、必ずメールや文書で残しておきましょう。
通常、手続きに厳格な会社であれば、後のトラブルを防ぐために仕様や費用などの重要な決定事項については文書で残しておくことが原則です。しかし、一部では口約束のまま進めてしまう会社も存在し、特に注文住宅の場合は、認識の違いによるトラブル発生の可能性が非常に高いと言えます。

先方が口約束で事を進めようとしていた場合には、こちらから決定事項を記載したメールや文書を送り、必ず確認の返信をもらうようにしましょう。

税金や助成金について確認しておく

不動産を購入した場合、不動産取得税や固定資産税などの税金が発生します。不動産会社は税金に関する詳細な内容の説明はできないルールとなっていますが「どのような税金が発生する可能性があるか」については事前に問い合わせておき、場合によっては税務署や税理士に詳細を確認するようにしましょう。

新築戸建て購入時にかかる諸費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

また、新築一戸建ての場合は、要件をクリアすることで給付金(※)やポイント給付などの助成金を受けられる可能性があります。日本は「申請主義」であるため、購入者が申請しない限り助成金を受け取ることができません。そのため、購入後の助成金の有無や申請方法については、売主や仲介会社に必ず確認しておきましょう。

(※)参考:すまい給付金

もしも引き渡しトラブルに遭ってしまったら

もしも引き渡し後に建物の不具合を発見した場合は、速やかに売主へ報告しましょう。内容によっては、引き渡し後であっても補修対応などを行ってもらえる可能性があります。
また、明らかに売主のミスであるにも関わらず、なんら対応してもらえない、あるいは全く回答が無いなど悪質な場合は、国民生活センター(※)などの相談窓口にまずは問い合わせることをおすすめします。

(※)国民センターの相談はこちら:全国の消費生活センター等_国民生活センター

おわりに:引き渡し前の確認会で傷や不具合が無いか徹底的に見よう

不動産取引では「引渡完了確認書」にサインしてしまうと、物件引き受け後に不具合が見つかったとしても、売主に対応をしてもらうことが難しくなってしまいます。
したがって、引き渡しを受ける前に行われる内覧会や確認会で、傷や不具合がないか徹底的に確認しておくことが非常に重要です。

また、購入後にかかる税金や助成金については、売主や仲介会社に説明する義務はありません。そのため、これら内容については買主側から積極的に問い合わせ、しっかり理解しておくことがトラブルを未然に防ぐことに効果的です。

待望のマイホームが手に入ると思うと気持ちが高まってしまいますが、後悔しない住宅購入を実現するためにも、引き渡し前は特に慎重に手続きや確認を心がけることが大切です。

この記事を監修した人

スターフォレスト代表取締役増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

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